2009年4月23日 一般社団法人LOCAL 設立のご報告

公告

この報告を出来る事をとても嬉しく思います。

2009年4月17日、一般社団法人LOCALが成立しました。
その後の登記手続きを経て、本日、印鑑証明書等々を受領いたしました。
以上をもって、登記手続きの一切の完了を確認できたので、ここにご報告させて頂きます。

今回法人格を得たことにより、

  • 金銭処 理
  • 契約

上記2点が可能になり、会の活動の幅が大きく広がったと考えております。
具体的には、OSC等のイベント時における懇親会領収書発行や、協賛企業様との会計処理等が可能になりました。 また、地域コミュニティが金銭を扱う必要が生じた際にも、LOCALが協力することで対応が可能になると考えています。

なお、法人の設立はあくまでマイルストーンであり、会の活動は従来と変わらず継続して参ります。

最後に、代表理事 澤田のコメントを掲載します。(会員MLに投稿されたものです)

                    一般社団法人LOCAL 設立によせて


まず、日ごろ貴重な時間を割いてLOCALの活動にご協力頂いている各位並びに
LOCALに金銭的な支援を頂いている諸氏に、会を代表して深く御礼申し上げます。
皆さんのご協力無しにLOCALは成立しません。誠にありがとうございます。

さて、先ほど、僕たちは晴れて一般社団法人としての登記を完了しました。
素直に喜びたいと思います。おめでとうございます。ありがとうございます。

2004年のGoDoから始まり、2005-2008のOSC北海道と活動してきました。
気が付けば今、6回目の大きなイベントを迎えようとしています。
現在のこの状況は、誰か一人の力によるものではなく、色々な形で様々な人が
OSSやコミュニティに携わってきた、一つの成果と言えると思います。


しかし、勘違いしないで下さい。
法人登記は、マイルストーンですが、目標ではありません。僕たちは「法人格」
という道具と責任を手に入れただけです。
今達成された成果とは、その先を目指す集団が確実に形成されたという事のみ
であり、僕たちはその先に到達しなければならないのです。

僕たちは、目標を共有しています。イメージは違っても、その根柢の部分は近い
はずです。
その実現のためには法人格がどうしても必要だったから、登記した。それだけです。
今回僕たちは、オカネを扱うことができるようになりました。
そして、コミュニティという名の烏合の衆から、法人という社会的に認められる
立ち位置に変わりました。

世の中、give&takeです。認められるからには、一定の責任も発生します。
それは、とても面倒なことですし、つまらない話も多くなるでしょう。
しかし、そのコストを払ってでも目標を達成したい志を持った人たちがここに
集まっていると、僕は信じています。


ところで、僕の人生の目標は「楽しく生きること」なのですが、記憶に残って
いる言葉がいくつかあります。

"お前なあ、「楽しい」と「ラク」は違うんだぞ"  (指導教官)
"めんどくさい事が、幸せなんだよ"  (所ジョージ)

そういうことなんだと思います。

僕の目標は「楽しく生きること」です。


このMLを読んでいる方は、ここが殺伐としているように感じているかもしれ
ません。
僕の感覚では、残念ながら、それは全くの的外れと言わざるを得ません。
オカネじゃない共通の目標を実現するため、その方法論について、いい大人が、
金銭的利害抜きで、真面目に議論できる。
これって、とても素敵なことだと思いませんか。僕は幸せなことだと思って
います。

みんなの共通の目標、それはきっと、楽しく幸せに生きることなんだと思います。
ごめんなさい、浅学ゆえ、うまく言語化できないのですが。僕の言葉では、楽しく
幸せに生きること、です。
もしかしたら、社会貢献、みたいな事を考えている方もいらっしゃるのかもしれ
ません。
いずれにせよ、勉強会やコミュニティ活動という手段を通して目標を具現化しようと
している人たちがここに集まっていると僕は思っています。
それであれば、具体的な方法論、戦略についての勇敢な議論を恐れる必要は
ありません。

僕たちは、これから、比較的前人未到の世界を拓いていかなければなりません。
LOCALのこの形、すなわち、企業の関わりもなく、行政主導でもなく、金銭的利益を
目指すでもなく、学術的ですらなく、純粋に地域文化としての技術者コミュニティの
成熟を目指す、というものは、全国でもあまり例の無い形だと思います。

技術者コミュニティは、どのように社会と関わるべきなのか。そして、どうやって
技術者文化の土壌を醸成していくのか。どうやれば仲間が増えるのか?
正解なんて、誰にもわからないのです。悩み、試行錯誤するしかないでしょう。
その過程における方法論についての考え方の違いは、恐れるに足りない、些細な
問題です。
みんなそれぞれに考えが違うことがわかっているから、議論をしているのです。
これからも、正解を探して右往左往することでしょう。
僕は、もっと、みんなと議論を楽しみたいです。


LOCALは、あくまでコミュニティの増幅装置でしかありません。
単体のコミュニティでは、どうしても限界に当たる事があります。
そういう時、LOCALという枠を使って、みんなで助け合えるようにしたいと
思っています。
だから、コミュニティを主宰している方は、どうかご自分のコミュニティを
大事にしてください。
必要なとき、LOCALを使ってもらえれば、それでいいと僕は思っています。
みんな、それぞれのやり方で、目標の達成に向かってもらいたい。
LOCALはそのための道具であり、技術者文化的意味でのインフラにならなければ
なりません。
LOCALを使うためにはこうしてくれないと困る、という前向きな提案は歓迎と
思っています。


僕は、21世紀の人類が幸せに生きるには、楽しく生きるしかないと考えています。
言い換えるなら、いわゆる自己実現を達成する努力をする世の中、でしょうか。
いま、インターネットがその可能性を示してくれています。
ニコニコ動画やustreamがその最たる例でしょう。

「文化は技術者が作る。」 去年、津田さんが仰ってました。
どのような形でも良いのだと思うのです。
インフラがあって、アプリケーションがあって、勉強会があって、コミュニティが
あって。

僕個人としては、僕にできることを僕なりの形でやっていきたいと思っています。
僕にとって本当に面白いのは、商業ベースじゃなく、その辺にいる普通の人。確信
しています。
だから、少しでも彼らの役に立つ道具を提供したいと思っています。
これは、SoundEngineを(いわゆる)フリーソフトとして配布し続けるために会社を
作ることを決めた8年前から変わらない、僕のポリシーです。
LOCALもそのポリシーに従っただけであり、同じ考え方で捉えています。
僕にとっての報酬は、提供した道具を使った拡大再生産の成果物。
素人の音楽作品であり、コミュニティの成立や活動そのものなのです。

もちろん、これは僕個人の主義であって、みなさんはまた違うポリシーを持って
いらっしゃることでしょう。それが自然だと思いますし、そうあるべきです。
色々な考え方があるから、面白いのです。僕も、考えを押し付けたいとは
思いません。
が、今日のところは、設立のご祝儀と思って、大目に見てやってください。
単に余計な話を書きすぎているだけだと思います。


今日、こうして雑文を書けた事を、嬉しく思います。
これで、今までやりたくても出来なかったことが、少しできるようになりました。

それぞれの目標に向かって。
何よりも、自分自身が楽しく生きられる世の中にするために。
一般社団法人LOCALは、今日から活動を開始します。

僕は自分の力だけでは何もできない人間です。大部分のみなさんも、きっと
そうでしょう。
だから、みんなで協力して、面白い世の中に変えていきましょう。

進め、蟻軍団

                                     2009年4月23日 夜明け前、支笏湖畔で
                                     一般社団法人LOCAL 代表理事 澤田 周